材質向上を目指して

丸太乾燥試験の測定の様子です。福岡県農林業総合試験場の方々に協力して頂いています。梅雨時期直後に原木の樹皮を剥いだので丸太表面の劣化などが心配されましたが、夏の丸太の乾燥は早く、割れ止めやカビ止めの効果も確認することができ、想定以上に早く目標含水率に近づけることができそうです。この試験では丸太の重量、表面と木口面の含水率を一定期間ごとに測定します。高周波法測定器による丸太表面の含水率の測定結果、そして乾燥機により100℃以上の環境下で乾燥させて乾燥前後の重量変化から含水率を測定する全乾法の測定結果を比較します。特に全乾法では輪切りにしたサンプルを更に細かく区分することで材内の含水率の分布を詳細に分析することができます。この試験の比較検討により丸太の含水率管理がより適切になり、強度が明確化された丸太を建材として出荷することができます。


Moraine Lake Lodge

世界でもトップクラスで美しいと称されるモレーン湖、その脇にあるMoraine lake lodgeです。巨大な丸太の柱と梁で建物の主要な構造が構成されています。接合金物がL字型のプレートになっているからでしょうか、内部空間を構成しやすいように梁には集成材が多用されていました。モレーン湖と周囲の自然の景観の美しさを損なわないよう、樹皮を剥いだままの丸太を使用し、彩度を落とした自然色の外壁や、基礎を覆う石積みの土台がデザインになっています。建物3階分の高さで構造体としても十分な大きさの丸太を通し柱にしているのが印象的で、見ていて安心感を与えてくれます。このロッジと背後にある宿泊棟へ向かうアプローチの樹木や岩は自然のまま残して活用されており、展望所になっている小山を登って眺めた際にはモレーン湖と周囲の木々の景観を邪魔せず、建築が佇むように造園されていることに気づかされます。モレーン湖の手元にはひび割れた灰色の巨大な流木がたくさん流れ着いていました。子供たちがここで流木を飛んで渡りながら遊んでいる様子を見ていると、これらの流木は処分する必要のない程、その場にあるべきオブジェのような存在に思えてきました。


The Cityscape of Banff

バンフはアルバータ州に属し、バンフ国立公園内に位置します。カナディアンロッキー山脈に囲まれており、周辺には多くの湖、そして美しいボウ川が街の脇に流れており、登山やスキー、サイクリングなどで賑わうリゾート観光地です。このような地域の特性に合わせた街づくりは都市景観、建築にも表現されています。写真のように太くて長い丸太が建物の装飾や構造体としてホテルや店舗、住宅など様々な用途で積極的に使用されています。丸太に入る大きなひび割れについてもカナダの人々はむしろそれを自然のままの美しさとして楽しんでいるようで、このような丸太が乾燥により強度が増すことも知っているのでしょうし、丸太と他の部材を金物などで接合する技術は乾燥した気候風土と長年の建築経験を通して培っているのだと思います。外壁に石を張る場合は必ず本物の石を使用していますし、塗装の色も彩度を抑えた自然色が採用されています。屋根材にはスギの樹皮を使用した樹皮葺きが頻繁に使用されていて街全体を落ち着いた雰囲気にさせています。そして道路の中央や歩道沿いには木枠の花壇が造られていたり、ホテルや店舗なども積極的にプランターなどで花を飾っています。この花を飾る習慣はバンクーバーの都心でも見受けられ、決められた時間に給水車が散水に回ることや特に公共スペースに植えられている花の種類が豊富なことからも国全体を通して美しい街づくりを目指しているのが分かります。


Post Hotel Lake Louise

Post hotel lake louise (http://posthotel.com) のロッジ棟部分の写真です。このホテルはボウ川沿いに丸太組のロッジを分散して配置しています。カナダは湿度が低いので外壁にログを使用しても殆んど劣化することなく、むしろ良い風合いに変化しているのが分かります。川沿いのロッジに宿泊すると、さながら最高のロケーションでオートキャンプを楽しんでいる気分になるのではないでしょうか。ロッジを含むホテルの屋根全てが赤い鋼板で統一されており、ホテル本体の外壁は全て木造で水平垂直の直線的なデザインです。そしてエントランスの車止めポーチの大胆な丸太組み構造の屋根が印象的でした。このホテルは1942年にボウ川周辺の木材を使用してバンフの著名なガイドでもある建築家が10人の大工と共に手作業で、しかも短期間に建築しています。現在は改築により上品な造りになっていますが、当時はスキーをする人々の宿泊ロッジとしてオープンしており、ホテルの近くには後にスーパーマーケットやアートギャラリー、ガソリンスタンド、カジュアルなカフェやレストランがつくられていて、とても利便性に富んでいます。橋を渡ると散歩道が長く続いているようでしたので、歩きながら周辺を散策するのも楽しいと思います。立ち寄っただけでしたが、レストランのメニューと最高級のロマネ・コンティを有するワインリストは特に有名で、スーツ姿のホテルマンの対応や内装デザインなど、格調の高さが伝わります。


The Lodge of the Ten Peaks

ルイーズ湖の近くにあるスキー場施設、The lodge of the ten peaksです。丸太の軸組工法で建築されており、主な柱と梁はL字型のスチールプレートの接合金物と特殊なボルトで接合されているようです。こちらの丸太は樹皮を剥いだ後の木肌が日本の磨き丸太のようには美しくありませんが、大スパンの空間に長大な丸太をふんだんに使用しているのが魅力的です。接合部を美しく見せようという特別なデザインは見受けれられず、細部は角材のように加工されているものの、手摺や床板を支える木材に至るまで、出来る限り天然の丸太の形状を生かして内外全ての構造をログ仕様にするといった徹底された造りになっています。建物全体が丸太による軸組構造で構成されているので俯瞰で見たときに空間の大胆さとその迫力が伝わってきます。そしてハードなスキーやスノーボードのための施設として、無垢の木材によるあたたかさと安心できる雰囲気が活かされているように感じます。森林資源に恵まれたアウトドアの本場であり、ログ建築に最適な気候のカナダだからこそ、この全てが実現しています。


Fairmont Jasper Park Lodge

カナダの丸太建築視察調査の報告です。まずはフェアモントホテルグループが運営するFairmont jasper park lodge(http://www.fairmont.jp/jasper)です。このホテルはメインロビーやレストランのある建物を中心にして、美しいボベール湖を囲むように、そしてウィスラー山に向かって宿泊棟が分かれて建てられています。写真左側はその宿泊棟、右側にはボベール湖、奥にチェックカウンターやレストランのあるホテル本体があり、更に奥にはゴルフ場が広がっています。マシンカットのログハウスに似ていますが、外壁仕上げとして縦ログと横ログが使い分けられているものもあり、デザイン上のアクセントになっています。内装は壁紙の仕上げで通常のホテルのようになっていますが、ロッジらしく過度な贅沢を避けた落ち着いた雰囲気になっています。モスグリーンの屋根や土台部分の石積みのデザイン、そして手入れの行き届いた芝生など、自然環境と調和するように色彩や素材使いに工夫がなされています。この施設は段階的な改修が施されており、アンティークの木材や石できた暖炉など、由緒ある施設の歴史と自然環境を大事にしながらも現代的なサービスを可能にしています。


正源氏公園の桜と新緑

写真は弊社隣にある正源氏公園のソメイヨシノです。毎年この桜でお花見会を開催しています。今年は満開の土日があいにくの雨でしたので特設テントを張っての開催となりましたが、小雨の中の桜は通常よりも花びらの色が濃く染まって見え、これもまた一層の風情があって素晴らしいものでした。少し離れて植えられている光陽桜は花の色が濃く、間も無く新緑の色鮮やかな黄緑の中でとても綺麗に咲きます。公園隣が住宅地になって依頼、暖かくなると幼稚園児や小学生、中高生、大人も遠足に来るなど、昔に比べると正源氏公園はとてものどかで明るい場所になりました。

弊社はモデルハウスを兼ねていますので、丸太の建築にご興味のある方はぜひお気軽に内覧に来てください。事前にご連絡頂ければ土日での対応も可能です。お待ちしております。


『シーダーログ建築』最新の動画です

シーダーログ建築の動画が新しくなりました。youtubeにも投稿しています。前回作成した200枚のDVDをすべて配布したため、今回新しい内容を加えて最新版を作成しました。昨年完成した2階建て住宅の写真や山口で行った構造試験の写真などが追加されています。

今後は営業活動を通して更に200枚を配布する予定で、今年は新しい研究開発の成果などをふまえながら、より深いシーダーログ建築の魅力を多方面の方々にご紹介して参ります。これまでにない建築工法ということもあり、毎年難題を乗り越えながら改良が進んでいます。ホームページの動画はしばらくそのままですが、ご了承下さい。ご希望の場合はDVDをご送付させていただくことも可能です。


建設現場見学会

先日、シーダーログ建築の関係者の皆様と現場説明会と研究開発会議を行いました。写真は2階建て住宅の現場説明会の様子で、福岡県の試験場、構造設計事務所、設計事務所の方々が参加しました。この住宅では最新の接合金物を使用しており、丸太の接合部に接合金物が部分的に見えるデザインになっています。棟上げの際に接合部のボルトを軽く締めておき、在来工法の柱と梁が組み上がってから増締めを行うことで丸太フレームの施工精度を確保しました。平均天井高さ3mの2階の空間は想定どおり開放的で、屋根勾配に合わせた登り梁の傾斜が建築空間のアクセントになっています。